ナツハゼの花です。花の色は日当たり具合で変わると言われています。日当たりがいいところほど赤が濃くなるようです。ここは日当たりはよくありません。実はブルーベリーの日本版です。宮城県ではヤロコハチマキ(野郎子鉢巻き)と呼ばれています。実を坊主頭に見立てて、鉢巻をしたような、孫悟空の鉢巻きのような筋があるからです。
八チが数匹飛んでいました。クマバチよりほんの少し小ぶりに見えます。家に帰り図鑑で調べて見ました。
オオマルハナバチかセイヨウオオマルハナバチのような気がします。セイヨウオオマルハナバチの解説には「トマトの受粉用にヨーロッパから輸入されたものが逃げ出し、野生化しました」 ・・とあります。
「トマト受粉用」・・でドキッとしました。2年前の3月のことです。原発事故があった福島県のいわき市に東洋一といわれるトマト生産している会社へ視察研修に行きました。規模の大きさにびっくりしました。コンピュータ管理の設備や栽培ノウハウは欧州から導入されていました。
そして、そこでは、輸入したマルハナバチの一種が受粉を手伝っていました。
このときは、私は質問しました。「何故在来種のニホンミツバチなどを使わないのですか?」。答えは「ニホンミツバチは管理が難しいからです。」
・・・このときはこの蜂が逃げれば日本の生態系に影響を与えるのになー・・そんなことを考えたものでした。
そして、今、この図鑑の解説「トマト受粉用・・逃げだし野生化・・」でそのことを思い出しました。
従業員170名の雇用を生み出している農業法人でした。やり方によっては農業も立派な産業になることを学んでものです。
今思います。
セイヨウオオマルハナバチも生態系を乱したけれど、福島原発の放射能の比ではないことを・・・・。
トマトは放射能で汚染され、または風評被害で、販売できそうにないことを・・・。
従業員170名とその家族の生活が奪われたことを・・・。
その会社の人がおっしゃっていました。
福島県のいわき市は東北の湘南と言われています。そして、湘南よりも寒暖の差が少ないんです。
台風の被害もほとんどなく、雪も東京より降らないんです。
だから、トマトのようなハウス栽培には日本一適しているんですー。
このトマトは大手メーカの「トマトソース」「野菜ジュース」となって私達の食卓に上るはずでした。
東北の湘南と自慢していたいわき市の皆さん。日本の農業の希望の星だった農業法人の従業員の皆さん。
今はどうしていますか?
今、夜の11:15、今夜はいやにホトトギスが鳴きます。